ご注意:苦痛・流血をともなう本編の過激描写は、小説としてのフィクションです。
決して人体に試さないで下さい。死亡・大怪我・病気に至ります。


【金のピン】


(全14幕)
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1.

 女の胸は、静脈をうすく浮かべ、ふっくらと盛り上がっていた。
雪のように白い肌に、胸の先だけが、色づいていた。
金色のピンで、その赤い実を挟んでやると、女は眉を寄せ、
苦しげな吐息をついた。
金色のピンは女の乳首を一旦噛むと、もう自然に落ちることはなかった。
そしてピンに力を加えたり、引っ張ったり、或いは乳首を狙って鞭で叩いてやると、細いピンで
乳首を絞られた女は呻き、身をよじってのけぞるのだった。

 口の利けない女だった。
 目も見えなかった。

 縛り上げた女の胸へピンを与えると、これがよく効いた。
女の腰は、開脚に固定されており、悶えるたびに、膣深くに埋め込まれた張型が
女の奥を突く仕掛けになっていた。
ほっそりとした女の足首は、馬のあぶみに縛られていたが、その紐にはわざと余裕があった。
床との摩擦音を立てて、女を乗せた木馬は揺れた。
男たちの手で木馬がはげしく揺さぶられることもあった。
その責め苦から逃げようとしても、縛られた女にはどうすることもできなかった。
前にも後ろにも、女が身をもがくたびに、腰に与えた張型が女を酷く苦しめた。
腿で木馬を挟み、身を少し持ち上げてみても、足首を縛った紐がすぐに張りつめ、
わずかばかり腰を浮かすことが叶うだけだった。
むしろそうすると、膣の入り口に張型の突起が引っかかることになり、揺れている振動は、中途半端な
位置にある張型をそこで動かして、女に鋭い痛みを与えることになった。
疲れて木馬の背に尻を落とすということは、張型の上に落ちるということである。
首輪の鎖が引かれ、上半身を縛られた女の背中が引き戻された。
木馬の上で揺れている白い胸の、金色のピンをめがけて、鞭がふるわれた。
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2.
 女は塔に閉じ込められていた。
塔を訪れる男たちは、美しい女を地下室へ連れてゆく際に、首輪だけでなく、女の肛門に
責め具を嵌めるのが常だった。
 女のそこはまだ狭く、穴に埋め込む道具は毎回、慎重に選ばれた。
棒状のものもあれば、果実の形を糸でつないだものもあった。
玩具を尻の穴に深く挿される間、女は抵抗できないように、男たちの手で床や壁に抑えつけられていた。
腰に回した帯と繋いで留め具を固定してしまうと、責め具はもう抜け落ちはしなかった。
 男たちに囲まれて塔の長い階段をおりる間、尻に挿入された責め具は女の腰を重たく圧迫し、
女がふらついて歩みを止めそうになると、男たちの手が女を捕らえ、女の尻にあるそれを
抜き差しすることで女を罰する。目が見えない女は、ゆっくりとしか階段をおりることができず、
女を取り囲んだ男たちは、そんな女の首輪を引っ張ったり、わざと前のめりに転ばせて、危ないところを
抱きとめたりして愉しんだ。
首輪をつけられた女のもらす喘ぎや呻き声は、切ない雨音のように塔の内壁に響き落ちた。

 途中の踊り場で男たちは女を休ませ、結い上げたその髪から、ピンを抜き取った。
細いピンは、金色で、髪からすべり落ちぬように、ぴったりと強い力で閉じるつくりになっていた。
背後から肩を掴まれ、作業をやりやすくするために、女は胸を突き出す格好にされた。
 雪のように白く、かたちのいい乳房だった。
 誰かの手で女の乳房が絞られた。そして小さな赤い実のような乳首に、金色の責め具が
嵌められてしまうと、あまりの痛みに、女の頭は、霜柱で貫かれたようになるのだった。
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3.
 塔の地下室は、昼でも暗かった。
天窓からのわずかな明かりが、中央部を薄青く見せるだけであった。
壁際の篝火が石壁を赤い色に染め上げ、それはいっそう、地下室をただれた、陰気なものにみせていた。
火は、暖炉と、鉄器具をつっ込んで熱してある小型の炉にも燃えていた。
女に使われる道具が整然と台に並び、天井からは、滑車や鎖がぶら下がっていた。
 火の手はいつでも盛んに焚かれていた。
盲目の女には、瞼の裏が赤くなり、ぱちぱちと怖ろしい火がはぜる音が、耳を打つだけであった。
 彼らは女を暖炉の前の敷布に横たえ、その四肢を開いた。
男は三人のこともあれば、ごく稀に五人のこともあった。
それ以上は、あまり丈夫ではないこの女には過酷だと、この女をこの塔に閉じ込めた人物が
一度にまわす人数を加減したのである。
 女は男たちの手で押し伏せられることもあれば、男の好みに応じて、縛られることも、
後ろ向きにされることもあった。
女の華奢な脚がひらかれて、そこにある狭道に、男の指や腰が次々と押し入った。
瞼を満たす赤色が、赤いままにどろりと濁り、弾け、薪の崩れる音が女の脳裡を打ちつけた。

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4.
 男たちは、水責めも好んだ。
後ろ手に縛った女の顔を、水を張った桶につけさせておいて、後ろから犯したり、
淫具を女の陰部に含ませる間、女の尻と腰はしっかりと固定されて、足首にも鉄枷がつけられた。
水が苦しげな音を立てても、首枷の鎖を掴み、女の頭を水の中に
押さえつけている男たちは、砂時計の砂が落ちるまでは、女に息継ぎをさせない決まりになっていた。
時々、男の指が女の膣に差し込まれ、肉襞を確かめた。
締まり具合は、教えたとおりに男の指に吸い付くまでになっていた。


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5.
 蝋燭で白い肌を責められると、女はびくびくと全身をふるわせ、
その熱さから逃れようと、縛られたからだで身悶えた。
蝋燭はあらかじめ低温のものに代えられていたが、金色のピンを伝う熱は、女の乳首に
焼き切れるような熱さと痛みを伝えた。
乳首に蝋を垂されている間にも、女の両脚は持ち上げられて、男への服従と
女が奴隷であることを、芯に教えられていた。
いびつな固形物に抜き挿しされ、貫かれるたびに、女は背をそらし、泣きじゃくった。
塔に幽閉された女は言葉を失くしていたが、追い上げられてゆく声は、変わりなかった。
女の脚の間にある小さな芽が銀器の先で顕わにされると、女の喘ぎはいっそう高まった。
尻の下はしだいに濡れて、叫びや弱々しい抵抗とは裏腹の、奴隷の悦びを男たちに見せていた。


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6.
 乳首を挟んでいるピンを引っ張って、女を従わせることもあった。
ぶとう絞り器のように、ピンの両端をひねってゆくと、ねじれてゆく胸の先は、
張り詰めた果実の実のようになり、女の身もだえも、掠れた悲鳴もつんざくようなものに高まる。
それが面白いといって、左右の胸が男たちの手から解放されることはなかった。

 饗宴の席で、椅子に坐った男の上に、女は男の膝をまたぐようにして坐らされることがあった。
歓談の間、女の乳首を噛んでいる細いピンを、背後から男の手がひねり、ねじって、
女の乳房の先に刺戟を加える。
ピンを弄られるたびに、女は眉をきつく寄せて、喉をそらし、わなないた。
豪勢な食事を愉しむ男たちの酒の肴は、男の膝から膝に回されて、椅子にかけた男たちよりも
少し高いところで揺れている、その女の苦悶の様子なのだった。
次の料理が運ばれてくると、女は次の男の膝へと回される。
男たちは女の胸だけでなく、男の膝を跨がせている女の下の口も、念入りにかわいがった。
男の指は女の薄い恥毛をかきわけて湿った花びらの中に入ったり、小さな芽を爪や指で
擦り上げ、片手は女の胸先のピンを共鳴させるようにいじりながら、振動を加えることに余念がなかった。
だんだんと女の頬が上気し、その喘ぎが切迫したものになっても、次の料理がくれば
女はすぐに隣りの男へとまわされる。
運が悪ければ、女は延々と、切ないところで泣き続けることになった。
 特に女の悲鳴が高まるのが、乳首を挟んでいるピンを、乳首の上で開閉することであった。
鉄のバネのように勢いよく閉まるピン先は、女に激痛を与え、女は悲鳴を上げて背をそらし、
前のめりになり、何とかその責め苦から逃れようと、男の腰の上で尻を揺らして身悶えた。
すると左右の客が、女の腿を抑えたり、女の首枷の鎖を引いて、女がよく見えるように
手伝うのであった。
 ふたたび女の白い胸が一同に晒された。
乳首責めを受ける女は首を振りたて、男の膝の上で苦痛に喘ぎ、男たちは酒を呑みながら
悶絶する女の泣き声をたっぷりと味わった。
男の指先がピンの端を掴んだ。
その手はゆっくりと、乳首を噛んだピンをぶどう絞り器のように回しはじめた。
「もうそのへんで。千切れてしまっては困ります」
「一周は無理でも、このくらいは構うまい」
 男の手が胸のピンを弾いた。
ピンだけでなく、乳頭も男の爪で弾かれることもあった。女は胸をふるわせて叫び、咽び泣いた。
男たちは卓上に女を乗せて、脚を開かせた。
閉じたところを左右に分けて指を入れてみると、蜜壷はすでに濡れていた。
燭台の明かりがピンを細く輝かせ、責め抜かれている女の白い乳房に、金色のするどい影を与えた。


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7.
 女は、盲目であった。
したがって、次なる責め苦が何であるか、それが加えられるまで、まったく分らなかった。
おののく女をよそに、金色のピンだけは女の急所を知り尽くし、女の胸の先で硬く光っていた。
 女はあまり丈夫ではなく、よく熱を出した。
男たちの中にあって、白い肌をした女は頼りなく、華奢だった。
たまに耳朶に熱い息がかかり、脂ぎった顔や、ねちこい舌が股間にすりつけられると、塔に往診している
かかりつけの医師だと知れた。
 陶器のようにすべすべとした女の白い肌は、飽きることなく男たちに嬲られた。
塔に閉じ込められた高貴な女を求め、男たちはその顔を情欲にたぎらせて、馬車で塔に駆けつけた。
口が利けないかわりに、女は、首枷をつけられた全裸の姿で、彼らを出迎え、もてなした。
膝をついて、男のものを口に含まされた女は、全員のものが喉の奥に注ぎ込まれるまで
許してはもらえなかった。
 脚をひろげられて、後ろから突かれることもあった。
そんな際には、遣りやすくなるように、ほかの男たちの手が女の細い足首や腰を抑えるのだった。

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8.
 男たちがあまりに手荒く金色のピンを扱うと、ピンを外した後も、痛みは
そのまま乳首に残っていた。
 眠る前に女は必ず薬を呑まされていたが、それでもあまりにも
胸の先が痛いので、眠れない夜があるほどであった。
乳房の先がちりちりと燃えているようだった。焼け火箸を押し当てられているようだった。
女は金色のピンを恐れ、両腕で胸を庇い、男たちに慈悲を乞うた。
そんな時、女は少女のように、しくしくと泣きじゃくり、胸を覆ったまま、壁際にさがってしまう。
男たちは笑いながら怯える女の両手を捕らえ、壁際に押し付けると、先にまず下の口を
かわいがって女を昂ぶらせ、宥めてやりながら、いやがるその胸に金色のピンを嵌めた。
逆らった罰に、そんな日はいっそう、男たちはピンを使って女の急所を引っ張り、ねじるのだった。

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9.
 望まれるままに、男たちの寝室から寝室へと、女はまわされた。
あらかじめ淫薬を呑まされている女は、男たちの、思いのままであった。
羞恥の表情がいいのだと言って、淫薬を呑ませぬように要望する男もいた。
どちらの時も、女には、ただ赤い苦痛が身を貫くばかりだった。

 貴女を塔に幽閉した者は、透きとおるように白い女の肌を損なう鞭打ちについては禁じていた。
女奴隷を鞭打つ愉しみを知っている者たちは、それに我慢できなくなると、女の胸先に手を伸ばした。
乳首を噛んだ金色のピンを少し押し開いて手を離すと、強いばねの力で、ピンは女の敏感な
実にぴしりと鋭く喰いこむ。地下室に運び込まれ、両手足を拘束された女はそれが続く間、
はげしく暴れ、泣き咽び、呻き声を上げた。
鞭を使わずに鞭と同じ効果を女から引き出せる乳首責めを、所望しない男はいなかった。

 地下室においても宴席においても、女の胸にある左右のピンは、いつも誰かによって弄られていた。
一日中、胸の先だけを責められることもあった。
咽び泣く女の悲鳴が弱り果ててくると、結い上げてある女の髪から、もう一本、
金色のピンが抜き取られた。
それは女の陰部へ向かい、小さな芽の上に刺戟を加えるのだった。

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10.
 生きたものを膣に入られることもあった。
その後で、男たちは女の膣を洗浄した。
頭の方が下になる特殊な椅子に坐らされた女の膣に、鳥のくちばしに似た器具が深々と
挿しこまれると、異物が突き刺さる痛みと感触に、女のほっそりとした二本の脚はわなないた。
漏斗を伝って、どろどろとした薬液が注ぎ込まれると、薬液がよく回るように、木べらで
女の膣はかき回された。
終わると、獄吏たちが盲目の女を椅子から起し、木桶をまたがせ、注入された薬液を排出させた。
立会いの医師は女の両方の乳首を指先でつまみ、出血を確認すると、しばらくピンは与えぬようにと注意した。

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11.
 塔に閉じ込められている女を散歩させるのは、獄吏たちの役目であった。
彼らは首枷をつけた女の鎖をひいて、塔の屋上や、塔の中庭に連れて行き、新鮮な
空気と日光を女に与えた。
か弱い女には逃亡する力などなかったが、獄史は必ず複数ついた。
そして散歩の途中で彼らは交互に、女を犯した。
塔に通う貴人たちと違い、奴隷女すら所有できぬ男たちが、極上の貴女を妄想のままに犯す時、
そこには、けだものとしか呼びようのない、粗野な振る舞いが加わっていた。
石垣の裏や、粗末な小屋に連れ込まれた女は、たいていは出てくる時には
誰かに抱え上げられなければ、自力では牢獄へは戻れなかった。

 垢じみた、くさい匂いのする獄史たちのからだが鎖で繋がれた女の白い肌を覆い、その汗と精液を
女の肌に浴びせている間中、女の肛門には、彼らが彫った木彫りの淫具がはめ込まれて、時折
女に苦痛を与えるために、抜き差しされた。

 獄史たちは平生、女の身の回りの世話をしたり、女が喘ぐ様子を近くから眺めていても、
その場では愉しむことは許されてはいなかった。
それだけにいっそう、その機会を待ち望んでいた。
屋外で彼らはむっつりと、獲物に襲い掛かった。
貴人たちが飼っている女の上に陵辱を加え、泣かせることほど、彼らを悦ばせるものはなかった。
鞭も使われることがあった。後で彼らは、女が逃げようとしたので打ったと言い訳するのだった。
燭台からこっそりと持ち出された燃えさしの低温蝋燭の蝋が、女の上に熱く滴った。

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12.
 女の両手はたいてい、鉄枷や縄で縛られていた。
入浴も、排尿も、女は獄吏たちの見ている前でおこなわねばならず、その後処理も、男たちにされた。
両膝を持ち上げられた女の股を清める時、彼らはたいてい、陰部を執拗にぬぐった。
美しい女が感じているのが分ると、彼らはこっそりと女に口枷をはめて、証拠が残らぬ程度に
女を嬲ることがあった。
 排便の必要はほとんどなかった。
客人の求めに応じていつでもそこが使用できるように、洗浄させる決まりになっていたからだ。
薬剤を希釈した液体が女の肛門に注入されると、女はすぐに身を折った。
その際、たまに獄吏たちは医師には内緒で、女に口枷をはめ、浣腸を含ませた肛門に栓を埋め込んだ。
四肢を押さえ込まれた女は、薬の溶液で腹を焼かれて痙攣し、口枷をはめられた喉で解放を求め
くぐもった悲鳴を上げ続けた。
もがき続ける女は冷たい汗にべっとりと濡れ、苦しみは極限にまで高まるのだった。

 眼も見えず、口も利けない女には、獄吏たちの隠れた非道を訴えることができなかった。
口枷の有効性がわかると、獄吏たちはさらに大胆になった。
入浴させる時にも、口枷を与えて、よく洗ってやるのだった。

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14.(最終回)
 女は塔に閉じ込められていた。
壁に沿って手探りで窓を探すと、足首と壁を繋いだ鎖はぎりぎりそこまで届いた。
窓の枠は錆びた鉄の匂いがした。
はめごろしの窓に頬をおしつけると、外の世界に吹く冷たい風が、女の頬に伝わった。
光を失くした女の目は、明かりの濃淡と人影のほかは、ほとんど何も見えなかった。
どうして塔に幽閉されたのかも、もうわからなかった。

 女をその獄塔に入れた男は、たまに女の様子を観に塔にやって来た。
男たちが牢の向こうからこちらを指して何かを言っていた。
調教が順調なことに満足である旨を、男は彼らに伝えた。
 錠が外され、扉が開いた。
獄史たちは女の両腕を掴んで男の前に連れて行った。床の上で女の足首の鎖が鳴った。
女はこの男の訪れを、もっとも怖れていた。
逃げようとして脚をもつれさせ、倒れ掛かった女を、男たちが羽交い絞めにした。
床に落ちた鎖が大きな音を立てた。
椅子にかけた男は、女の衣を脱がせると、むきだしにさせたその白い胸を、しばらく眺めた。
男は喋る間も、ずっと女の胸を揉みしだいていた。
本日の趣向について男たちが囁き交わすのを、女は気が遠くなりそうなおもいできいた。
 やがて、何かが床の上で不安定に揺れているような、軋む音がした。
女は、これから木馬に乗せられるのだと知った。
そして、男は女の胸に、彼が贈った金のピン嵌めさせるのだった。


[金のピン・了]

※某所投稿用に短くしたスケッチ

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