ご注意:苦痛・流血をともなう本編の過激描写は、小説としてのフィクションです。
決して人体に試さないで下さい。死亡・大怪我・病気に至ります。


[雄鹿の館]・T




 肉玩具は、その白い肢体を、びくびくと、二人の男の間でふるわせた。
革の拘束具で両手を背中側に一つにして束ねられ、この家の豪奢な長椅子に
坐らされた肉玩具は、あられもなく股間を拡げられたまま、達する寸前でそれを止められる、
寸止め地獄の中にいた。
 女の膣は、すでに熱をもっていた。
その女壷に、調教師の太い指が、また挿し入れられた。
長椅子と床には、あらかじめ防水布が敷かれており、この屋敷を汚さぬように
十全の心配りがされていた。
 二人の男に連れられて馬車から降ろされてきた女は、頭巾を深く被り、足首までの、織りの
厚いマントを羽織っていた。
屋敷の主であるギョームは、謎の娼家から出張してきた彼らを、書斎に通した。
「ギョーム様に、ご挨拶をするのだ」
 ギョームの書斎で二人の男は、女の襟元の紐をほどき、そのマントを剥ぎ取った。
女は、はだかだった。
透きとおるように白い肌をした、若く、美しい女であった。
長い髪は束ね上げられており、月の女神のような清楚なその顔立ちを引き立てるように、化粧もない。
 二人の男は、ギョームの前で、女のからだを引き回してみせた。
床に広げた青いマントの上に仰臥させ、女の両脚を顔の上まで折り曲げさせると、生殖器が天井を向き、
隅々までが見えるようになった。
「この肉玩具の名は、シモーヌと申します。よくご覧下さい、ギョーム様」
 シモーヌは、ほっそりとして、腰が細く、尻がまるく、そのわりには胸が豊かであった。
 男に両足首を掴まれて、身を二つにされている女は、はずかしい部分へ男の注視を受けていることが
分るのか、目を閉じ、ほそい眉を寄せて、その恥辱に耐えていた。
 次に調教師は、売り物の感度の証明として、女の肛門や乳首を鞭でつつき出した。
苦しげに、シモーヌが声をもらした。
その美しさに似つかわしい、はかなげな声であった。
「調教済みの玩具でございます」
 鞭先で女をいたぶりながら、調教師はギョームに説明した。
「恥毛も剃り、浣腸も済ませてきております」
 それを証拠だてるように、鞭でつつかれている女の紅色の器官は、湿りを帯びて、ひくついていた。
 長椅子の斜め向かいの椅子に腰をかけ、ギョームは頷いた。
「始めてくれ」


両手を後ろで縛られている女は、顔を隠すこともできなかった。
大きく脚を拡げられた格好で長椅子に架けさせられたシモーヌは、その気品のある
美しい顔を苦痛と快楽に紅潮させ、調教師のほどこす何度めかの手淫に
切なげに呻き、ギョームの目の前で足指を苦しげに丸め、快楽の淫声をしぼり出していた。
「肝要なのは、ゆっくりと、いたぶることです」
 調教師は、女の蜜壷に中指と人差し指を差し入れて、上に持ち上げるようにして、浅く、深く、
抜き挿しを加えていた。
「女の身体は乱暴にするよりも、性感帯への執拗な愛撫にこそ、過敏に反応するようにできております」
 男の指で体内をどのように掘られているものか、女は唇をかみ締めて耐えていた。
もちろん、男たちはいまさら分りきった女体講義をギョーム相手にしているのではなかった。
女のからだを弄りながら、そのような言葉をかけることで、女を辱めているのである。
「膣内の、ちょうど陰核の裏あたり、ここを入念に刺戟し続けてやります。すると、次第に膣が
快感に収縮し、膨らんでくる箇所がございます」
「ア、アア」
「そこを集中的に責めてやります」
 シモーヌがのけぞり、白い太腿をわななかせた。調教師の弟子の手が、それを抑え付け、
女の膝を開かせる。
 調教師は女体責めを続けた。
「圧迫してやり、かき出すようにしてやります。女の反応を見ながら、特によがるところを
えぐるようにして重点的に、丁寧にかわいがってやります」
 膣内でずぶずぶと蠢く調教師の巧みな手の動きに、シモーヌの細首が、いやいやをするように
はげしく振られはじめる。
束ねていた女の髪は、すっかりほつれて、汗を浮かべた首筋にはりついていた。
 調教師の助手が、硬くしこった女の乳首をつまんでおり、調教師の空いたほうの手は
女壷を虐める間にも、膨らんだ女の陰核を引っ張り上げて、陰部から零れる液で
小さな芽をぬるく潤しては、やわやわと擦ってやっていた。
 内側からも外側からも責められてはたまらなかった。
ひっと一度声を詰まらせると、女は断続的に、狂ったようなかぼそい叫びをひいひいと放ち出した。
閉じようとする女の両脚をぐっと左右にわけておいて、調教師とその助手は、淫らな格好にさせた女に
さらなる手淫をほどこし、追い詰め、追い上げはじめた。
 調教師は効果をはかりながら、内部でその指を曲げた。
「ここからが、面白うございます。淫乱な肉玩具の芸を、とくとご覧下さい」
「ヒィ、ヒィーッ」
 用意の防水布が役に立った。
限界を超えた女は、その尿道から、透明の水を噴き上げた。
 さらさらとした液体を噴き上げ、吐き出しながら、シモーヌは二人の男の愛撫に尻を濡らし、
股を濡らし、よがり狂い、ギョームの前で、その身を引き攣らせた。
 調教師は、指を引き抜くと、持参の鞄の中から、淫具を選んで、取り上げた。
「余興ついでに、道具を使う方法もご覧にいれましょう」
 怒張した男根を模した淫具を女の膣に押込むと、「ああ」、女は雷に打たれたようになって、
長椅子の背にうずもれた。 
 調教済みの女の膣は、すぐに与えられた淫棒に反応を示した。
強い快感に収縮をはじめた膣が、道具を窮屈に咥え込み、吐き出そうと動かし、また奥へと
引き込もうとする。
 調教師が手を離しても、女の膣に吸い付いた淫具は、股間に深く刺さったままだった。
 べつの生き物のような淫靡な顫動をみせている女の下口の動きを、調教師と助手は
女の足首をとって持ち上げることで、ギョームに披露した。
高々と上げられた女の脚の付け根に、淫具は、確かに突き刺さっていた。
 引き続き、調教師は女の膣に辱めを加えた。
時々小刻みにはやく動かしては、女をはげしくよがらせて、じらすように、止めてやる。
 書斎の鏡に映るものは、女のからだを知り尽くした二人の男、いや、ギョームを含めた
三人の男たちによって、絵画の中の女王のように美しい女が、陰部に責具を突き立てられて、
男たちの意志のままに嬲られ、なかされている姿であった。
 肉玩具の悲鳴が、声を上げ続けたことで、しだいに弱り、掠れてきた。
女の尻の下に敷いた防水布は、すでにぐしょ濡れになっていた。
「ギョーム様、お宜しければ」
 ちらりと調教師は、持参の黒鞄のほうへ目を向けて、ギョームに伺いを立てた。
黒鞄の中には、女体責めの道具が詰まっていることは、開けてみせるまでもなかった。
解放されぬ快感に貫かれ続けて、長椅子にはりつけにされた女は、すでに忘我の中であった。
ひい、ひい、という女の淫声と、淫具を抜き差しされている股間から零れるものが、女の
限界が近いことを示していた。
「もっと他の道具を使って、続けてご覧にいれますが」
「いかせてやれ」
 ギョームは顎をしゃくって、それを許した。
 女の膣内で、淫具と淫水が、淫靡な摩擦をはじめた。
時間をかけた愛撫の効果で、全身が性感帯となっている女は、その刺戟に悶絶した。
 淫具の先は女の陰核の裏あたりを小刻みに強く突き上げており、連続振動がそれに加えられた。
助手に乳首を摘まれたまま、女は首を振りたて、身をがくがくとふるわせた。
 女が両脚を左右にびくんと張り出して突っ張った。
 同時に、調教師は淫具を引き抜いた。
圧迫されていた女の尿道が解放され、温かな潮が噴き出した。それは、床に敷いた
防水布にまで飛び散り、椅子から床に零れ落ちるほどであった。
 二人の男の手で強制的に達し続けさせられる間、肉玩具は、陰部から次々と淫水を溢れさせた。
 見物のギョームは両手をゆっくりと打ち合わせた。
オペラ座の升席から歌手を称えるように、その拍手の音は、書斎に低く、鳴り響いた。


 防水布には、水たまりが出来ていた。
顔を上気させて喘いでいる女の股間と、零れた淫水を海綿で拭うと、男たちは
シモーヌを長椅子から引き起こし、ギョームの前に膝をつかせ、前かがみにさせた。
「お前の芸をご覧いただいた御礼をするのだ」
 怒張しているギョームのいちもつを口に含み、まだふるえている唇でしごく女は、達した
直後とはいえ、舌の動きが未熟であった。
 ギョームは女の後ろ髪を掴み、女の喉を貫いた。
四つん這いにさせた女の尻の側では、調教師が女の肛門への責めをはじめていた。
 女の肛門にあてがわれたのは、小さな果実を五つ連ねたような、道具であった。
「ウウ」
 果実のかたちの玉が一つ肛門に埋め込まれるたびに、シモーヌは尻を振り、唇をきつくすぼめ、
男を含まされたまま、美しい顔を苦悶にゆがめた。
 精液を残らず飲み下させた後、今度は女に反対側を向かせて、ギョームは女のかたちのいい尻を
確かめた。女の肛門の外には、埋め込まれた責具の引き手が、尻尾のように垂れている。
「今宵の玩具は、お気に召していただけましたでしょうか」
 ギョームは女の肛門の紐を引っ張った。
シモーヌが呻いても、埋め込まれたものは、なかなか出てこなかった。
「ギョーム様のご趣味のよろしさは、聞き及んでおります。ご紹介に預かりました限り、『雄鹿の館』の
名誉にかけましても、お気に召すまで何度でも、最高の玩具をご提出いたします」
「そうだな」
 シモーヌは、痛みに喘ぎながら、ギョームの足許に這い蹲っていた。
ギョームが紐を強く引くと、女の膝が浮き、尻が上に持ち上がり、ようやく一つだけ、淫具の玉が
肛門から窮屈に顔を出した。
半端なところで引くのを止めてやる。括約筋を拡げられた女は、ひくついてもがき、腰を動かした。
「尻をふって、悦んでおります」
「噴水の芸もまずまず良かった。しかし、まだ仕込みの余地がある」
 先刻の舌づかいは、熟練とは言えなかった。
それに、この尻の穴の狭さ。肛門拡張をされていない。
調教師は「お目が高い」、と目をほそめた。
「ギョーム様。こちらが手前どもの、名刺となります」
 慇懃に、調教師は、ギョームに紙片を差し出した。
ギョームが「慰めてやれ」と命じ、足許では助手の男が、四つん這いにさせたままの女の膣に
再度、淫具を挿入してやっていた。女体の肛門の責め具は、そのままになっていた。
「どうぞ一度、当館にお越し下さいませ。こうしてお屋敷に出向くことも可能では
ございますが、他の紳士方も、当方の提供いたします商品には、常に高いご満足をいただいております」
 シモーヌが、掠れた、弱々しい、爛れ声を上げた。
「本日の玩具は、うちでは平均水準でして」
 めす犬の格好で淫具を挿しぬきされている女は、男たちに見下ろされている中で、ふたたび
切れ切れの声を放ち始めた。
上の口からも下の口からも涎をたらし、乳房を床に擦りつけて悶えている。
 調教師は無念そうに、言い訳をした。
「調教を重ねた品は他の方からご予約を頂戴しておりましたので、今宵はこれしかご用意できませんでした。
お好みがございましたら何でもお申し付け下さいませ。責め方、弄り方も、ギョーム様のお望みのままで
ございます。如何なるご希望も、ご随意のままに。わが主ともども、最高のおもてなしにて、お客さまに
ご満足いただけるよう、あい努めます」
 防水布と責具を黒鞄にしまい、何度も強制的にいかされ続けて、ふらついている女にマントを
着せ掛けると、後片付けを終えた彼らはギョームの書斎から、そして、屋敷から退いた。
 馬車が屋敷の門から出てゆく音がした。
ギョームが窓から見ると、彼らを乗せた馬車は黒塗りで、窓がなかった。
女の白い肌が、目の前にちらついた。
(オーレリア)
 しかし、耳底ではかなくはじけたのは、シモーヌの悲鳴であった。
 男たちがおいていった名刺を、ギョームは小卓から取り上げた。

    ---------------------------------
     『雄鹿の館』
      紳士がたに最高の慰安をご提供
      最高級の玩具、調教部屋完備。
    ---------------------------------
>次頁へ>目次へ>topへ戻る

Copyright(c) 2008 Asabuki all rights reserved. inserted by FC2 system