ご注意:苦痛・流血をともなう本編の過激描写は、小説としてのフィクションです。
決して人体に試さないで下さい。死亡・大怪我・病気に至ります。

【異教徒の妃】
◆三幕
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 王が、珍しくもひとりの女奴隷をことのほかお気に召されて、足繁く後宮にお渡りだとか。
噂はまたたく間に王宮に、そして都中に伝播した。
遠い植民地の総督たちの許にまで、それを伝える密書がとばされた。
たいそう美しく、たおやかな、まだ少女のような女奴隷を、王がご寵愛。
『しかし、心配はございません』
手紙は告げる。

『王は、後宮に持ち帰られたその奴隷を、あらゆる方法で苛むばかりで、いとしんではおらぬとか。
その女奴隷は、先の戦の折に王が得た、異教徒でございます。
王を崇めず、邪神を信奉する異教徒への不満を、王はその女にそそぎ、
後宮の牢獄に閉じ込めて、宦官どもに嬲らせ、玩具として辱めておられます。
漏れ聞くところによれば、明かりもろくに差さぬ狭い地下牢に鎖で繋ぎ、飼い殺す趣向とか。
じきに女が死ぬか、王がお遊びに飽きることでございましょう。』

 後宮に納められた、千人を超える女たち。
あらゆる部族から後宮に供出された麗しい女たち。
征服地から人質として送り届けられた高貴な美姫や、王族のうら若い処女。
あらゆる性技をしこまれた性奴隷、肌の色、眸の色、どのような所望にも応えられるだけの
質と量を誇る、美女奴隷たちの牢獄。
それは全て、この国を統べる、ただ一人の若い男のためであった。
 その王が、一人の女の上に寵をかける時、それは後宮だけの問題にはとどまらず、
女の出身地や部族への贔屓とみなされ、ひいては権力の推移と、政治問題にも直結する。
女が子を生み、それが王子であるならば、女の実家は、未来の皇帝の後見人か外戚としての
地位も望めるのだ。
 しかし、女は、奴隷であった。
帝国の支配を拒み、滅んで果てた街から連れてこられた、名もなき異教徒であった。
それゆえ、殿上の人々は、王の気まぐれに対して噂に興じはしても、なんら危機感も
憂慮も抱きはしなかった。
むしろ王が慰んでいるのが異国の奴隷と知った彼らは、一応の安堵をもって、その報を受け止めた。
彼らがもっとも恐れることは、おのれの許でなく、他の門閥から供出された美女の上に王の寵が
留まり、未だ後宮の女たちを奴隷の身分のままに据え置いて、決して一人の女を
特別に贔屓にすることもなければ、たとえ王の子を生んだ女たちであっても奴隷から解放して
妃の身分にあげることもない、非情で酷薄で残忍な性質の王が、一人の女を寵愛し、
その女に子を生ませ、その者に権力を持たせることであったからだ。
(それにしても、その異国の奴隷は、よほど美しいのであろうか)
(いかなる美しい女であっても、王の気まぐれと逆鱗の前には、生きながら皮を剥がれたものを)
(後宮の女の幾人かは、王の寵が賤しき異教徒の奴隷に奪われたことを恥じて、井戸に身を投げたり、
王の赦しを得て宦官に手首を切らせたり、首を括って果てたとか)
 そして人々は、怖ろしげに、後宮のある遠い楼へと目を向けた。
夕暮れに包まれた後宮楼は、沈む太陽の熱気を帯びた黒々とした影となって、人々の上に、
赤暗い翳りを投げかけた。


 大陰唇を左右に広げ、陰裂をくつろげ、女の陰門を顕わにさせる。
襞をめくり、乳首を摘まみ、性器の色や形状の異変の有無が、読み上げられ、記録されてゆく。
 後宮に繋がれた女が、まず耐えなければならなかったのは、毎朝の検診であった。
宦官に囲まれて、脚の間を診られるはずかしさは、排泄を監視されることと合わせて、女をはじいらせた。
異教徒の女に対する検診は、特に念入りに行われた。
 病気がないか。
 妊娠の兆候はないか。
 王と性交のあった日の日付と照らし合わせながら、宦官たちの指や診察のための器具は、
特殊な寝椅子に架けられた異教徒の女の性器を這い回り、膣をこじ開けた。
 尿においても、おりものの有無や、その色や臭いが、医師の目で確かめられた。
異教徒の女の生理が止まり、強要しなければ食事をとらぬことについては、懐妊ではなく、
投与している薬の副作用および、心の弱りとされた。
 ようやく検診が終わると、次に専属の係が室を訪れて、女の陰部の毛を抜き取る。
 性交の邪魔にならぬように、後宮の女たちの性器まわりは脱毛させる決まりとなっており、先の尖った
毛抜きで細かい部分まで、女の陰裂のまわりは、全て抜かれるのだった。
 異教徒の女のその部分はもともと薄く、毎日されなくても支障はなかったが、それでもそれは
後宮にいる女たちが、王の隷属物であることを女たちの身に知らしめ、服従を思い知らせる
儀式の一環として、性器の検診とあわせて、毎朝必ず行われるのだった。

 千人もの女たちの検診が済む頃には、すっかり日も高く昇っている。
それから女たちは浴殿へと向かい、宦官の監視の下たっぷりと時間をかけて
入浴と発汗をさせられる。
髪を整え、湯上りの肌に香油を塗り込まれ、女の肌を磨き上げられる頃には日が暮れた。
後宮の女たちの一日は、ほとんどそれで終わり、毎日が、それの繰り返しであった。
 その浴殿に、くだんの女奴隷の姿がないことを、誰もふしぎには思わなかった。
(不浄の異教徒を、わらわたちと同じ香湯につけるなど、考えるだに、汚らわしい)
(まるで小娘のように、化粧もさせていないとか)
 しかし、異国の女が浴殿を許されなかったのは、別の理由からであった。
王は異教徒を完全に服従させるまでは、地下牢に閉じ込めておくことをお望みであったから、
そうされたのである。
地下に監禁された女の入浴は、運び込まれる湯桶の中で、後宮の貴女たちと変わりなく
宦官たちの手によってすまされていた。
 王の訪れがあると事前に知らせがあった日には、後宮専属の医師たちが総出で
地下の檻を訪れ、もう一度、女体の性器検診を行い、湯浴みをあたえ、薬を与える。
 その夜、また後宮の美媛が一人、王のお渡りが異国の女に向かったことを嘆いて、窓から身を投げた。


 女の息が極限まで切れ切れになるのをみはからい、王は女の両手を架けている
鎖の高さを少し落とした。
 後宮の、奥の奥。
限られた者しか入ることが赦されず、誰も近寄ろうともしない、暗い地下牢に、あらたな
女の呻きと、鎖が軋む音がした。
「つらいか?」
 王が尋ねた。
嗤いを浮かべている王に応える言葉を、異教徒の女はもたなかった。
ながい間膣内を満たし、膣壁を擦っていたものが取り除かれた反動で、女のそこはかえって
痺れの余韻に切なく満たされていた。女は、腿と膝を擦り寄せて喘いだ。
「まだ足りないようだな」
 女を侮る男の嗤い声が耳に吹き込まれた。
汗に濡れて頬にかかっている女の髪を、王ははらってやった。
ほそい頤を掴むと、女は、苦しげに、その美しい目を薄くあけ、そしてまた力なく瞼を閉じた。
 びっこを引く女は、獄から地下室に降ろされる際、宦官か、王に抱き上げられて、下まで運ばれた。
小さな少女のように軽々と王に担ぎ上げられた異教徒の女は、地下室ではだかにされ、
壁や台に拘束され、その日も、王の調教を受けていた。
「疼くのか。慰めてやろう」
 王の指は、女の股間にもぐりこんだ。
壁の留め具に両手を繋がれている女の頭部は、向き合った長身の王の、ちょうど胸の下あたりに届いた。
指責めされた女は、首をふり立て、抱き合うほどに覆いかぶさっている男の胸に顔をつけるようにして、咽び泣いた。
苦しい息を吐く女の唇が、うわごとのように、王の胸の中で抗いと懇願を力なく紡いでいた。
その泣き濡れた女の顔を見下ろしながら、過敏な部分を捉えた王の指の動きが強くなった。
女の首がのけぞった。
王の手は女の細腰をおさえ、下から指を打ち込み、膣壁を熱くさせ、ゆっくりとかき回した。
男の指は女のよわいところを探り出し、もう片方の手は女の乳房を握った。
上と下から揉みしだかれて、逃げ場のない女奴隷は、壁に背と尻を打ち付けた。
その両乳首には、耳飾りのような、錘つきの金具が嵌められていた。
垂れ下がった錘の重みは揺れ動くたびに、女の両の乳首を絶えず刺戟していた。
 剥き上げた女の陰核をなぶっていた王は、同じものを、もう一つ用意させた。
ばねの強度を調整し、膨らんだ小さな肉芽にそれは取り付けられた。
もっとも敏感なところを金具の歯に挟まれた痛みは、軽く噛まれただけであっても、奴隷の脳天を焼いた。
女の股間に垂れている責具の錘を、王は指ではじいて、振り子のように揺らした。
奴隷は両手を吊るされたまま、脚を不恰好に開いたり閉じたりして、逃れようと泣き叫んだ。
王はすぐにそれを取り外してやったが、痛みは消えなかった。
 異教徒の淫らな踊りを愉しんだ王は、次に宦官に命じ、その両足首をも壁に固定してしまった。
そうしておいて、王はふたたび、女の陰核をむき出しにさせた。
「小さいままだな。調教が、手ぬるいのか」
 指の関節で王はその充血したふくらみに辱めを加えた。奴隷は身を引き攣らせた。
「もっと悦ぶように、鍛えてやろう」
 両脚の間に、ふたたび責具が、今度は錘の重みをもう一つ増やして繋げて、噛まされ、垂らされた。
四肢を拘束された奴隷の全身がぴくぴくとふるえ、鎖の留め金がはげしい音を立てた。
 女の房を訪れるたびに、王は、蝶の翅をむしって遊ぶように、美しい異教徒を苛んだ。
それはまるで、異教徒の聖典を一枚ずつ引きむしる執念深い作業にも似ていた。

「王は、まことにあの女奴隷をお気に召され、最近では宦官も遠ざけ、手づからご調教を」
「本日は女を壁に架けさせ、もう数時間もつづけて可愛がられておられます」

 王が寵愛している奴隷のために、臣下が後宮に献上した、異教徒を懲らしめるための
道具が宦官の手によって地下室にはこびこまれ、用意された。
それは海で獲れる骨のない生物の足を模したもので、表面にはたくさんの小さな突起があった。
 指でくつろげられた膣口に張型をあててやると、奴隷はゆるしを懇願するように首をふった。
それに構わず、王はそれを下から徐々にもぐりこませ、奥深く埋め、抜き差しを加えた。
壁に磔にされた女は、真下から責め上げられるままに、苦しげな声を放ち、王の肩にがくがくと
頭をぶつけて、張型の動きに合わせて髪を乱し、ひどくないた。
 呼び入れられた宦官たちが、女をようやく壁から降ろし、鎖をほどき、女の乳首から錘つきの
金具を取り外した時には、悲鳴も涙も枯れ果てた女は、床に崩れ落ち、膣口から張型の先を
突き出したまま、ひくひくと身をふるわせているばかりであった。
 また或る日の王は、宦官たちに命じて、異教徒の直腸を洗浄させた。
 奴隷の肛門に薬液が注がれると、王は、女の尻の穴に栓をさせた。
宦官に抱え上げられ、膝を左右に大きく拡げられた女が、腹の痛みに蒼褪め、尻の穴から
栓の柄を突き出した格好でもがき、苦しみ悶える様を、王は鞭を片手に、時に鞭先で
女の乳をはじきながら、ご覧であった。


 薬を投与されている女には、自ら逃げる力も、舌を噛んで自害するだけの力もなかった。
聖句を唱えようとしても、薬のせいか、言葉にならなかった。
無理に何かを考えようとすると、きまって、王の酷薄な、こちらの何かを慎重に見極めようとしている
あの熱く、冷たい双眸が思い出されて、それは行為の間も常に女の上にそそがれて、
女をふるえあがらせた。
(司祭さま。創造主さまが本当におわしますならば、神はどうしてわたしの片脚を、他の人とは違い、
不器用に、走れないようにおつくりになられたのでしょう)
(神はお前が、他の者よりもいっそう神に近づけるように、お前の脚にそのしるしを
下さったのだよ。父母を亡くし、脚にゆがみを持ったお前は、それだけ、神の恩寵に近いのだ)
 両手首は寝台の左右の柱にそれぞれ結わえられていた。
食事を採らぬ女のために、流動食のようなものが与えられていたが、その殆どを
女は吐いてしまった。
宦官たちは女に食事を呑み込ませるために、女の鼻をつまんだ上で口を塞がせ、
ひと口ごとに手間をかけねばならなかった。
 拘束は、血流を止め、腱や細胞を傷つける。
拷問の弊害を熟知している宦官たちの手により、裂傷や擦過傷は最小限に
抑えられていたが、牢に戻されるたびに、異教徒の女のその白い肌には、痣やこまかな傷が
痛々しく浮かんでいた。
 天窓に、月があった。
真っ白にかがやくその月が、美しい白さのままに、滲んで揺れた。
女の涙は、寝台の何処かへと零れ落ちて消えた。
 夜間にはほとんど雲のかからぬこの国の澄み切った夜空は、金銀の星を湛えた、青黒い
万華鏡のようであった。
燃えるような赤い夕暮れ。紺碧の青空と、そこに浮かぶ日輪の円盤。
しかしそれらの景色も、地下牢にいる女には、意味のないものであった。
 小さな窓枠に囲まれた外界の彩りは、女の胸に檻の中の境遇の辛さを思い知らせて、
眼の奥にたゆたい、ひっそりと時間の中に消えていった。


「これが、父上が玩具にしている異教徒の奴隷か」
 牢に入り込んだ二人の少年は、それぞれの鞭を手の平に打ちつけながら、女をじろじろと眺めた。
 浅黒い肌と、酷薄そうな美貌は、王とよく似ていた。
少年たちは、十二歳で即位した王のもうけた大勢の王子たちのうちの、年長の王子たちで、
その背丈はもう女よりも高く、身体つきも大人と変わらなかった。
 男子禁制の後宮であったが、そこで生まれた王子たちは、生母に逢うために出入りを許されており、
王子たちは後宮と王子宮を行ったり来たりして過ごしながら、後宮に気に入った女がいれば
父の奴隷の中から好きに選んで、好きに使い、王子の間で輪姦し、抱いていた。
 しかしその後で、王子たちの手がついたその女は、宦官によって縊り殺されて、ひそかに
処分されるのが後宮の鉄則となっていた。したがって、王子のお召しは、女たちに
歓喜を与えると同時に、そのまま、その女の終焉を告げるものでもあった。
「お前の検診記録と、調教記録を読んだぞ」
 母親の違う二人の王子は、女の顎に鞭をあてた。
 異教徒の奴隷には名はない。
女は、”うさぎ”と呼ばれ、記録にも、そう記された。
 牢獄の女は、肌の透ける白い薄物しか与えられていなかった。
それはかえって、女を少女のようにみせていた。
女の絹のような髪を手にすくい、片方が、「美しいな」と異教徒の美を認めた。
片方が、怯えあがっている女の小さな顔を見下ろして、「やせっぽちだな」と不愉快げにはき捨てた。
 彼らは奴隷を、地下牢の窓の下まで引きずっていった。
そこからなら、女の姿を地上からも覗くことができた。
「お前のために、母上がお嘆きである」
「懲らしめてやるぞ、奴隷」
(泣きわめかせておやりなさい)
 彼らは、母をはじめとする、後宮の女たちから、女の賤しさを吹き込まれていた。
(王の寵をかさにきて、奉仕を疎かにする不感症の女とか。のたうち回らせておやりなさい)
(父上さまと同じように異教徒の女を征服し、蹂躙し、辱めるのです。それでこそ、この国の王子です)
 少年たちは、奴隷の薄衣を引き裂いた。
 その様子を、後宮の女たちが窓から覗いて見ていた。
口伝えに、異国の女の顔立ちや、その惨めな有様の一部始終を、女たちは後宮中に言い広めた。
 王子は女の髪を掴み、その可憐な唇に怒張したものを含ませた。
 大人と変わらぬ強いものが、女の喉の奥に繰り返し突き込まれた。
もう一人は背後から女の細腰を掴み、その陰部の溝に手馴れた指責めを加えた。
王のお気に入りの女におのれの一物を埋めることは出来なかったが、その代わりに彼らは
女に口淫をさせ、性具や異物を駆使して奴隷をなぶった。
異教徒の女は、そのかすかな表情も物腰も、嫋々として、清純な美しい女であったから、
か弱いその抵抗を封じて苛め、犯すことに少年たちは昂ぶり、かつて覚えのないほど昂奮して、
手荒に女の喉に突き入れた。
(異教徒は四つん這いにされて、前と後ろから責められ、二人の王子様たちの間を
はしたなく往復させられておりますわ)
(膣とお尻の穴に鞭の先をねじこまれためす犬は、悦びのあまりに尻を振りたて、
乳房を床に擦りつけ、ないて礼を)


 王子たちのお手がついた女は、処分される決まりである。
しかし後宮の女たちの期待に反して、異国の奴隷女は、依然として、後宮の牢獄に飼われていた。
深夜に、鞭を手にした王が不意打ちで女の牢に入ってくることも、相変わらずであった。
 傷めつけられた女の膣は、わずかな刺激にも、振動にも、もう耐えられなかった。
竦みあがり、痛みに縮こまり、潤みの足りないまま奥を突かれる辛さに、女は身もがき、両手の鎖を鳴らし、
枯れた喉から呻きをあげた。
その華奢な身を、王はさらに突き崩しにかかった。男のからだの下で悶え続ける女は、しだいに
意識をなくし、涙を流し、か細い声でよがり泣いた。
 男は寝台に乱れた女の髪をすくい、女の顔を灯りの方へと向けさせた。
泣き濡れて喘いでいる女は、その脚の間から、男が放ったぬるいもの零していた。
その顔には悦びはなく、苦しみしかなかった。
いつの夜も、女は決して自らは応えず、身を固くして崩されるばかりで、祈るように眼を閉じ、
ひたすら耐えていた。
「信仰が強いとは結構なことだ」
 余熱と痺れが残っている女の膣の中に、王は指を挿し入れた。
異教徒に蛙のような無残な姿態をとらせ、愚弄し、追い上げてゆきながら、王の顔は、いつものようには
笑ってはいなかった。
 しなやかな雄獣のように女の身体の上にのしかかり、王は女の乳房を噛んだ。
「昔この牢にいた異教徒は、改宗させ、淫薬を与え、性奴隷として使ってやった。
中庭でさらし者にし、宴の席に引き出して衆目の前で自慰をさせ、奉仕させた」
 美しい女であった。
その女の前に、女の夫と息子の生首を並べてみせてやった。
しかしそれでは、真に異教徒を屈服させたとはいえなかった。
三角木馬にかけられた女は、苦痛のあまり正気に戻ったものか、服従の言葉ではなく、邪教の祈りを
唱えながら死んだのだ。
 その時のことを思い出しながら、王の舌は女の乳首をかたくしこらせ、その手は手探りで女の芽をつまんだ。
「お前にも芸を仕込んでやるぞ。ただし、異教徒のままにな」
 女の乳首と陰核を爪で細かくはじき、言いきかせてやる。
刺戟に堪えきれず、女は、男の胸の中で身をよじった。
やがて、不恰好に脚を開かれている女の膝がふるえて、苦しげにその息がせり上がり、
奴隷は切ない声を洩らし、苦しげにその腰をよじらせはじめた。
「これが好きになってきたようだな」
 そして王は、わなないて上気している女の髪を掴み、小さなその耳に囁いた。
 お前の神を打ち砕いてやる。


[続く]

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